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ホームブログアート大好きやなこの人は - Magical Furniture
2024.08.04

アート大好きやなこの人は


灼熱の京都へ行きました。
目的は椅子の配達と現調でしたが、いずれも夜からだったので日中は京都の行きたいところを ぶらぶらとしていました。
回った中の目的地のひとつに京セラ美術館で開催中の村上隆の展覧会があります。
迫力のある大型の新しい作品ばかりで京都と妖怪をテーマにしたモチーフは馴染みがあって、でも新しくて楽しく拝見しました。
赤い大きな龍はすごかったなぁ。

村上隆が好きではないという日本人は多いと聞きます、いつかのテレビで美大内でインタビューしていたのを見たことがありますが、否定的な時話をしていました。
もちろんテレビなんで進行のためにそういう編集をしたんだと思いますが、ここまで否定されることを売りにした番組も新鮮だったので覚えています。
村上隆は海外で評価されて日本には逆輸入のような感じで知られるようになったと思います。
日本では受け入れられなかった理由として私が思うことがあります。
・オタク文化をモチーフにしている作品がある
・二次元的な表現
・商用的
・自分で描いていない
とかかな、と。

日本人は芸術家に対して幻想のような理想を期待している節があるなと思います。
ストイックで、チャラチャラせず、貧乏で、自分に向き合って絞り出す表現、そんな期待。
対して村上隆は戦略家だしブランドとコラボもする。
で、儲かっている。

私も初めて村上隆を知った時は、その風貌と作品のスタイルに少しの拒否反応があったと記憶しています。
でも知らずに否定するのも浅はかだと思って本を買って読んでみました、そして見方が変わりました。
まず持った印象は「アートの対して非常に真面目でアートが大好きな人なんだな」です。
海外でアート活動をするには自分の作品の文脈が重要な要素です。
なぜこういう作風なのか、なぜモチーフがこれなのか、よく聞かれることですが、日本人はそれらを語るのが苦手ですね。
ただ村上隆は語るのが非常に上手い。

本人も自分が商業画家だと言っていますが、これもヨーロッパでは当たり前のことで、ミケランジェロやダヴィンチなんかも教会から依頼されて絵を描いたりしていましたね、今のデザイナーのような感じです。
企業からの依頼でコラボしたりするのは当然のことでしょう。

村上隆はアートに正直で、アートが大好きなんだなと展示を見ていても思います。
それは以前 横浜美術館で開催されていた村上隆の個人所蔵の作品を展示する展示でも思いました。
作品を作って売ったお金で他の人の作品を買うなんてアート大好きやなこの人はと展覧会上で感じたものです。

いい展示でした。
日本で個展は当分しないでしょうけど、次の機会があればまた見たいものです。